個人の総計を超える力。

本日,ワールド・ベースボール・クラシックの日本対韓国戦があり,日本の大勝(7回コールド勝ち)でした。

不振だったイチローがヒットを放ち,他の選手もそれに影響されるかのように,次から次へと打線が繋がりました。ベンチの雰囲気も非常によかったのだと思います。

個人のポジティブな言動や行動の結果が,チームの他のメンバーのポジティブな行動に繋がり,ネガティブな要素さえもポジティブに向かわせていく。そして,個人の力の総計を超えるチームの力を発揮することが可能になる。

KBSの高木晴夫氏は,これを「チーム効力感」と呼んでいます。

これは,組織のトップに立つ原監督やキャプテンのような役割を担うイチローのマネジメントの成果であると思います。(もちろん,日本中のみなさんからの応援も,それを後押ししたのは間違いないでしょう。)

業務が拡大する中,組織の人数が現状維持か減少傾向にある図書館において,その解決のカギ(のひとつ)を握るのはマネジメントであり,「チーム効力感」による生産性の向上にあるのだと思います。図書館から,個人の力の総計を超えるチームの力を発揮した事例が出てくることに期待したいです。また,そのような支援もしていきたいと思っています。

図書館の競合と潜在利用者。

有料自習室の利用者の声に,「粘れる喫茶店がなくなっています。図書館は混んでいて夜は早めに閉鎖するし,家でも家族に遠慮したりテレビなどの誘惑が多かったりで集中できない」(「有料自習室,なぜ増える」日本経済新聞:2009年3月1日朝刊)というものがありました。最近,有料自習室が増加しているとのことです。

それでは,公立図書館で自習室を大量に提供すればよいかといえば,単純にそういう話でもありません。公立図書館には,公立図書館の経営理念や経営目標があって,それに基づいたバランスのよいサービスを提供する必要があるわけです。

ただ,ここでのポイントは,(当然のことかもしれませんが)利用者が勉強をしようとしたときに,図書館が有料自習室と並んだ選択肢のひとつに入っていたということです。勉強をする場を提供するサービスについて,いくつか選択肢が利用者にあることから,喫茶店や有料自習室が図書館の競合となっていることがわかります。このときに,図書館や企業がこのサービスを意図しているか,意図していないかは関係ありません(例えば,勉強することを望んでいない喫茶店も多いわけです)。

図書館のどのサービスに利用者がどれだけの期待をしているのか。

利用者が図書館に期待している各サービスの市場規模がどれだけあって,そのうちどれだけの利用者に対して,自分たちのサービスを利用してもらいたいのか。また,逆に,どれだけの利用者を取りこぼしているのか。自分たちが利用して欲しいサービスに限らず,利用者が図書館に期待しているサービスには何があるのか。また,そのサービスが図書館にないなら,その利用者は他の民間企業のどのようなサービスを利用しているのか。

意図しないサービスを提供はする必要は全くありませんが,少なくとも,このように市場(利用者の状況)を図書館が常に把握し続けていることは,非常に重要なことだと思います。(市場を理解した上で,サービスを提供しないという判断をしている状況をつくるのが大切ということです)

「異業種格闘技」と言われる現代の経営です。

このように市場を把握し続けていることは,図書館の価値を急激に低下させる競合が現れることを早めに察知できるなどのメリットもあるでしょう。

市場の把握の仕方については,また,別の機会に書きたいと思います。