図書館経営学が必要な理由

公共図書館や大学図書館に関する法律や政策は,ある程度,個々の図書館に共通するものです。しかし,なぜか似たような条件下にある図書館の経営改革の成果が異なっています。大規模であるのに目立った成果が出ていない図書館がある一方で,中・小規模でもそれなりの成果を出している図書館があります。比較的成功している例としては,ビジネス支援サービス(それだけではありません)で有名になった静岡市立御幸町図書館やラーニングコモンズで有名になったお茶の水女子大学の図書館などがあるのかと思います。つまり,(もちろん,法律や政策は大切で,そこから大きな影響は受けていると思いますが)法律や政策だけでは,公共図書館や大学図書館における直接的な成果には結びついていないという状況があります。

このような状況を考えると,それぞれの図書館経営にとって,そうした環境(法律や政策)も経営環境のひとつと考えて良いのだと思います。そして,環境はそれぞれの図書館にとってほぼ等しい条件で存在しているわけですが,その中で図書館を自ら主体的に変革していくのは,個々の図書館のマネジメント層やマネジメント層と一緒になって働く図書館員ということになります。

ここに図書館経営を考える意味があります。

どうすれば,図書館は,現在,あるいは将来の利用者に対して質の高いサービスを提供できるのか。

図書館経営学とは,まさにこうした図書館の経営に関する主体的なプロセスやそれを成立させている組織,また,図書館サービスが提供すべき市場・個々の利用者について,研究する学問なのだと思います。

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